障害厚生年金の年金額はいくら?

障害厚生年金の年金額について

現役世代がケガや病気になった時にもカバーしてくれる障害年金。今回は障害厚生年金がいくらになるのかみていきましょう。

障害基礎年金は定額で1級は年額で約97万円、2級で約78万円です。
これに子がいる場合は子の加算がつきます。

これに対して、障害厚生年金はお一人おひとりの給与の額(収入)によって金額が変ります。
各月の給与を基にした標準報酬月額と厚生年金に加入していた月数から、平均標準報酬月額と平均標準報酬額を算出し、これに基づき報酬比例部分の金額が決定します。報酬比例部分とは、障害厚生年金の2階建て部分の年金額のことを言います。

 

【厚生年金は2階建て】
障害厚生年金2級 ←報酬比例部分の年金額。給与が1人ひとり違うため年金額も変わってくる。2階部分。
障害基礎年金2級(約78万円の定額)。1階部分。

 

障害厚生年金の年金額(令和2年4月から)
【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,900円)〕※

【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,900円)〕※

【3級】
(報酬比例の年金額) 最低保障額 586,300円

【障害手当金(一時金)】報酬比例の年金額×2(約117万円に満たない場合は約117万円)

※生計を維持されている65歳未満の配偶者がいる場合は配偶者加算がつきます。

 

マメ知識
配偶者がいる場合は、配偶者加算が加算
されます。
障害年金の世界では「子の面倒は基礎年金
側でみる」と言われており、配偶者加算は
厚生年金で加算されます。

 

 

報酬比例の年金額の計算式について

報酬比例の年金額の計算には本来水準と従前額保障と呼ばれる2つの計算式がありますが、原則的な計算式である本来水準についての計算式は下記になります。

報酬比例の年金額の計算式の画像

 

 

平均標準報酬月額と平均標準報酬額とは?

平均標準報酬月額について

平成15年3月までの被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額の総額を、平成15年3月までの被保険者期間の月数で除して得た額が平均標準報酬月額です。賞与は含めないため各月の給与のみで計算をしているので、平均標準報酬”月額”となっています。

平均標準報酬額について
平成15年4月以後の被保険者期間の計算の基礎となる各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、平成15年4月以後の被保険者期間の月数で除して得た額(賞与を含めた平均月収)が平均標準報酬です。賞与も含めて計算をしているので、平均標準報酬”額”となっています。

 

【報酬比例部分の年金額の計算】
平成15年3月まで

平均標準報酬月額(賞与含めない)

平成15年4月から

平均標準報酬額(賞与含める)

 

平成15年3月と4月を境に給付乗率が異なっているのは、平成15年4月からは賞与の総額も含めて平均標準報酬額を算出しているため、賞与も含めると収入が多くなるので給付乗率を(1000分の7.125から1000分の5.481へ)下げて調整をかけています。給付乗率は蛇口によく例えられます。賞与も報酬比例部分の計算に含めることになったため、給付乗率の蛇口を絞り込んで、乗率の調整を図っているとイメージすると理解しやすいでしょう。

 

事例研究

では最後に上記の計算式にあてはめ、障害厚生年金の年金額を計算してみましょう。

Kさん(59歳)男性。配偶者あり。
障害厚生年金2級支給決定。

●平均標準報酬月額等の内容
・厚生年金保険加入期間440ヵ月
・平成15年3月までの期間 240月 320,000円
・平成15年4月以降の期間 200月 465,000円
・配偶者加算224,900円

■報酬比例部分の年金額={320,000×(7.125/1000)×240}+{465,000×(5.481/1000)×200}+224,900=1,281,680円

■障害基礎年金2級=781,700円

合計2,063,380円(年額)

 

ざっくりとした計算ですが、このようにして障害厚生年金の年金額は求めることができます。障害年金のご相談でもっともよく聞かれる年金額についてご自分で理解が深まればより年金がクリアになると思います。

 

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