みんな知りたい!65歳前の障害年金と障害者特例による老齢年金の選択について

パーキンソン病で障害厚生年金3級から2級へ額改定された 配偶者(妻)よりご質問。

 

今回、額改定された障害厚生年金2級+障害基礎年金2級+A加給年金(または加算額)223800円または、64歳になれば、障害特例の老齢年金+B配偶者加給年金397500円かの選択になると思いますが、このA加給年金とB配偶者加給年金の違いはどういう違いがあるのでしょうか?私の想像なのですが、A加給年金は基礎年金部分で、B配偶者加給年金は老齢厚生年金の特別加算額がプラスになっているからなのでしょうか。

65歳からの選択肢として、老齢厚生年金+配偶者加算+老齢基礎年金または障害基礎年金か、障害厚生年金+障害基礎年金+加給年金の選択も同じ考え方でよいのでしょうか。あと、障害年金は非課税ですが社会保険料は扶養からはずれるのでしょうか。また確定申告は必要なのでしょうか。

 

その①~障害年金と特別支給の老齢厚生年金につく配偶者加給年金額について~

AもBも配偶者加給年金額は”厚生年金側に”につくものです。ポイントとして、

・ 加給年金額が加算されるのは、1級又は2級の障害厚生年金。(3級の障害厚生年金には加給年金額は加算はありません。)
・ 対象は65歳未満の生計を維持されている配偶者。
・ 障害厚生年金1級2級の配偶者加給年金額は「224,700円×改定率」で、毎年改定率の改定によって年金額に若干の変更があります。
・ 障害厚生年金【2級】の年金額(令和5年4月分から)=(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(228,700円)

・ 老齢厚生年金の配偶者加給年金額は、特別加算がプラスされますが、障害厚生年金の加給年金額には特別加算はつきません。

・ 老齢厚生年金の配偶者加算額は、受給権者の生年月日が昭和18年4月2日以後、特別加算額 168,800円 、加給年金額の合計額は 397,500円です。ただし、老齢満了(配偶者が老齢厚生年金にかかる被保険者期間が20年以上受け取る権利があるとき)または、配偶者自身が障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止されます。

 

その②~65歳からの選択肢~

老齢厚生年金+配偶者加算+老齢基礎年金または障害基礎年金か、障害厚生年金+障害基礎年金+加給年金の選択も同じ考え方でよいのでしょうか?

 

先に記載したとおり、配偶者加給年金は65歳未満の配偶者がいる方のいわゆる”家族手当”です。65歳に奥様がご自分の老齢年金をもらうようになると、配偶者加給年金はなくなります。ご主人が老齢年金を受給していて、配偶者加給年金額が加算されている場合、ご主人についていた加給年金が振替加算という商品メニューに変わって妻の老齢年金につくようになります。

日本年金機構HP:加給年金額と振替加算

 

その③~65歳からの受給選択~

65歳からの選択としては、
・老齢基礎年金+老齢厚生年金
・障害基礎年金+障害厚生年金
・障害基礎年金+老齢厚生年金の選択関係になります。

 

障害年金は障害年金生活者支援給付金が別途加算されます。障害年金生活者支援給付金は令和5年度(月額)2級 5,140円です。年間6万円ほど、障害年金に上乗せされます。老齢年金生活者支援給付金は世帯全員が非課税でないと支給されません。障害年金生活者支援給付金はご本人の前年の所得が4,721,000円以下であれば、支給されます。

厚生労働省:年金生活者支援給付金制度

 

その④~課税額と社会保険の扶養について~

障害年金は非課税ですが社会保険料は扶養からはずれるのでしょうか。また確定申告は必要なのでしょうか?

 

妻の社会保険の扶養にご主人が入っている場合、原則、障害年金も収入としてみなされ、年額180万円以上あれば、扶養から外れることになります。障害年金は非課税ですが、社会保険の扶養認定においては収入としてみなされ、180万円以上あれば、ご自身で健康保険に加入しなければなりません。確定申告については、障害者手帳によって所得税、市県民税の障害者控除を受けられるので、確定申告をするメリットがあります。詳しくは、税務署、市民税課でご相談してみてください。

 

国税庁HP:確定申告書等作成コーナーよく
ある質問、障害者控除とは

 

障害者特例による老齢年金を選択するのか、65歳になるまでは障害基礎年金と障害厚生年金でいくのか、受給選択に当たっては、金額の対比だけではなく、課税対象となるか否かを考慮して選択する必要があります。障害年金は非課税ですが、障害者特例は老齢年金なので課税されます。65歳未満でどちらを選択すれば、税金や社会保険料控除なども含めて有利になるかは個人(世帯単位の状況)によって異なります。

障害者特例による老齢年金が受給できるようになったら、雑所得として課税される障害者特例による老齢厚生年金(定額部分+配偶者加給年(条件あり))と、非課税である障害年金どちらが実際の手取り金額が高くなるのか試算することが必要です。

 

特に課税額については、年金事務所で64歳時点における年金額を両方とも試算してもらい、課税額がいくらになるのか、市役所の課税課で確認していただき、納得のいく受給選択をしたいものです。

 

年金制度は複雑で難しいです。とりあえず、夫が64歳時に社会保険事務所で年金額の試算と役所で税金等試算してもらって選択します。私自身も、年金受給時には一部繰下げも考えたいので、試算してもらってから考えます。社会保険や確定申告のことも、参考になりました。ありがとうございました。

 

Follow me!