電子申請を始める前の準備~ステップ①電子証明書の取得について~
電子申請を行うメリットについては前回の投稿でお話した通りです。電子申請とは、従来書面で行っていた手続きをウェブページ上で行うことをいいます。この電子申請を始めるためには、いくつかの事前準備が必要となります。その1つとして、電子証明書を取得する必要があります。
電子証明書とは?
電子証明書とは、電子で届け出る書類に対して記名・押印や署名を電子的に証明するものです。イメージがつかみにくく「・・???」となりますが、分かりやすく言うと、以下の書類を各行政窓口に提出する時は、必ず事業主や被保険者の記名・押印、署名が必要となりますが、電子申請の際には、これら記名・押印、署名を電子的に証明して、ウェブページ上で申請を上げるために必要なものが電子証明書であると理解することができます。
【電子申請で申請ができる手続き 】
・社会保険手続き(健康保険・厚生年金保険)
・雇用保険手続き
・労働保険料に関する手続き
電子証明書とは、信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、書面取引における印鑑証明書に代わるものなのです。
【電子証明書知っとこ!マメ知識】
- 電子申請を始めるには電子証明書(電子で届け出る書類の記名・押印や署名を電子的に証明する証明書)の取得が必要。
- 電子証明書=紙の文書で言うところの印鑑証明書に相当するもの。
- 電子署名=紙の文書で言うところのハンコに相当するもの。
電子証明書はどこで取得するの?
電子証明書は「認証局」と呼ばれる各認証局で発行されています。認証局とは、電子証明書を発行している機関のことをいい、民間事業者や法務省が管轄する電子認証登記所、地方公共団体情報システム機構が運営主体である公的個人認証サービスがあります。電子証明書の費用や使用可能な証明期間(有効期間)は各認証局が発行する電子証明書の内容によって様々です。
電子証明書の費用や使用可能期間など
有効期間の長さは、発行機関によって設定が違いますが、最長で5年、一番短いものは、電子認証登記所の3ヵ月です。
- 電子認証登記所(法務省):認証期間3~27か月、1年あたりの費用:7,900円、特徴:商業登記に基づく認証
- 民間事業者認証局:認証期間25か月~58か月、1年あたりの費用:13,440円、特徴:電子入札可能
- 公的個人認証サービス(地方公共団体):認証期間5年、1年あたりの費用:0円、特徴:マイナンバーカードの利用
証明期間で注意したい点
証明期間中は、何度でも申請手続きに電子証明書を利用することができますが、証明期間中(有効期間内)に代表者の変更、商号変更、本店移転などがあった場合は、電子証明書は”失効”してしまいます。それ伴う再発行や手数料の払い戻しはされないので注意が必要です。
今回は、電子申請を始めるための事前準備として必要な電子証明書についてお話をしました。電子証明書とは何ぞや??という点はクリアになったでしょうか。電子申請を始めるにあたって「電子申請難しそう」「ハードルが高いなぁ」と思われる”電子的アレルギー”を払拭して、みなさんのより身近なものになればと思います!
次回は、このほか、電子証明書が不要なgBizIDについてお話をしていきます!
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